本を通じて概念を学ぶときに

心脳マーケティング」という本を読んだ時、ぼくは挫折した。
内容が難解であるとかそういった理由ではなく(いやそういった理由も多少はある)、読みだして数十ページで「で?」という感覚に陥ったのだ。
この本はざっくり言うと、消費者の心と体、脳、そして社会と思考の相関とそれを汲み取る手法について書かれている。様々なメタファを用いながら消費者の深層心理に触れているのだが、なんかこう「じゃあ具体的にどうすんの?」みたいなものがなかった。 あるにはあるのだが、超巨大企業の例を挙げていたり、日本の文化とは相容れない内容だったので、やはり「概念を理解するための本なのだ」と理解している。 そういう本ってデザイン系の本で多い。僕は困っていた。


この本をオススメしてくれたのは友人のサービスデザイナーだった。
読むのを諦めて積んでいた折、彼とお昼を一緒に食べる機会があった。そのときに「概念を落としこむには繰り返し自分の体験と紐付ける必要がある」という話を聞いた。
確かにこの本にはよくある実践書にあるような、一般的なユースケースがなかった。恐らくそれを記しても意味がないということだったんだろう。個々人に訪れる状況は星の数ほどあるし、時代も環境も変化していく。そこに無理に当てはめようとすれば手法が誤った方に転がる危険性もある。 かといって汎用的なユースケースにしてしまえば内容が希釈され概念の理解に役に立たない。 それに、海外の本でそういった表層的なユースケースが書かれていたとしても、文化の違いからきっと腑に落ちなかったはずだ。

概念は概念として自分の頭の片隅に「ストック」して、体験と紐付いたときに引っ張り出せばよいのだと理解してからはなんか気楽に読めるようになった。 サンキュークッレ。フォーエバークッレ。

あ、あとちなみに、こういう本ってなんでか知らないけどわざと難しい言い回しで書くけど、そのほうが納得感が出てお得だなと思った。