エンジニアがデザインに取り組んでわかったこと

最近、いくつかのデザインに取り組んでわかったことがあるので、書いておこうと思う。

ぼくは2,3年前にこの業界に入ってからずーっとフロントの実装畑でやってきた。
それは自分の意図していたものではなかったけど、前職のまぼろしという会社は実装が強みの会社だったので、デザインに触れることはほぼほぼなかった。

それもあってか、ぼくは「もうちょっとコストを考慮してほしい」「このあしらいが一体ユーザーにいくらのお金を落とさせるんだろう」とか、あげくの果てには「実装のことを考えたデザインをすべき」とまで考えていた。これらの考え方はぼくだけでなく、コーダーからよく同様の声が上がっている。 だけどデザイナーさんと接する機会が増えるごとに、デザインができるようになったら今までイラついていたことがどんな風に見えるのか確かめたいな、という気持ちになった。

それ以外にも「なにか作るとデザイナーばかり褒められて厳しい」というのもあった。Web に携わっていない人からしたらコードなんて知ったこっちゃないし、一生懸命頑張った動きの部分やインタラクションでさえデザイナーの手柄になる。自分が実装したものが、Web と関係のない友人に「すっごいかわいいデザイン!すごい!」って言われてるのを見るたびに「ぼくだってがんばったもん...」みたいな気持ちになってました。

そんなこんなで、いっちょやったろうと思ってデザインを始めた。結構舐めていたと思う。普段から良いサイトは嫌という程目にしているし、ちょろちょろっと真似してればいけるだろうと思っていた。

デザインの難しさ、奥深さ

デザイン舐めてました…。正解がどれかわからない中で自分なりに最適解を見つけ出して、説得力を持たせること。この難しさはえげつないなあと思いました。
コードのように「ほら、動いてるでしょ?」とはいかない。自分のデザインをきちんと説明できないといけないのだ。

加えて実務の場合には、エンジニアからはやいのやいの突かれ、ディレクターには締め切りをちらつかせられ、クライアントの意味不明な要求にも応えつつ、その中でユーザーに最高の体験を届けないといけない。想像するだけで吐きそうになります。

加えて、(センスでどうにかなっちゃいそうだから)デザイナーに対して「あんま勉強してないなこいつら」という偏見を持っていたんですけど、全然そんなことなかった。文字組、配色、ユーザー体験、マーケティングなどなどガチガチにロジックが組まれた尋常じゃなく奥深い世界でした。

「なんとなく」の重要さ

足を踏み入れるまではセンスが全てだと思っていたデザイン。しかし前述したようにガッチガチにロジックが組まれている。ただし、そういったロジックはもちろん重要なのだけど、「なんとなくこっちの方がいい」っていう感覚、これも割と大事なんじゃないかなって思った。エンジニアの視点しか持っていなかった時は「は?」という気持ちでしたが。
もちろん全てロジカルに説明できればいいんだけど、自分でやっていてうまく説明できないけどこっちの方がいいっていう場面に何度か遭遇したんですね。
以前はそういう感覚を内心全否定していたのだけど、尊重すべき感覚もあるんだろうと思った。

まあただこれはぼくが未熟なだけという説もあるので、一概には言えない。

本気で取り組んでわかったこと

SNS では、四六時中コーダーやエンジニアがデザイナーを批判している。「ガイドがちょっとずれてるwww ないわwww」みたいなのとか、「画像はきっちり偶数で作れよ.. これだからデザイナーは」みたいなやつとか「モジュールを考慮してデザインしろや」みたいなのですね。

だけど、もしコードに見識の深いデザイナーにコードを見せたら「なんでここ、更新しやすく作ってないの?」「画像云々以前にこの実装じゃ遅くて当然でしょ」「なんだよこのクソ設計は」と、非難轟々になるはず。「画像のサイズが奇数」とか、「ガイドがずれてる」とか、「画像じゃないと表現できない」とかそんなことどうでもいいくらいのミスを、ぼくは頻繁に犯していると思う。しかもぼくはよりユーザーの体験に近い部分をやってるんですよね。ぼくのさじ加減ひとつでクッソ重くなってしまうことだってある。

そういうことに気づいていないと、こういった記事を書いちゃうわけですね(すいませんでした)。

一回デザインを一生懸命作ってみると、デザイナーさんの苦労や苦悩がすごくよくわかるので、全コーダーにおすすめしたいな、と思う。デザイナーに対して同業者として、より深いリスペクトを持てると思うし、それは確実に実務にも反映される。

ちょっと脱線しましたが、上述したように「人間なんだから多少のミスはしょうがない。思いやりを持って仕事をしていこう」という当たり前のことを再認識できたことが大きかったなあと思う。
コードを書けないほぼ全てのデザイナーは、エンジニアの(真っ当な態度)による意見にはきちんと耳を傾けてくれる。なので誠意を持って話し合えば協力して良い物が作れる。

ぼくが尊敬しているスーパープログラマの上司は「実装しにくくても、デザイナーがユーザーを想って具現化したデザインを実装するのがエンジニアの仕事であり腕の見せ所だろう」と言っている。まさにその通りで、プロなんだからいい意味での一定のプライドは持つべきだ。デザイナーもクライアントの無茶な意見に苦しみながらユーザーのことを考えてなんとか落とし込んでいるので、そこを考慮しないといけないなあって思った。

まとめ

デザインの勉強はじめてよかった。